December 6, 2019

猫旅: Stockholms Katthem

今年も猫 Advent Calendar 2019の時期がやってきた。この記事では、昨年訪れた Stockholms Katthem という猫保護施設について書いてみようと思う。

ほとんど写真。猫保護施設に関する記事なので、もしかしたらそれほど明るい話ではないかもしれない。また、こちらの筆致の稚拙さやこの問題に関する知識の足りなさからか、特に新しい情報はないかもしれない。まぁ日記なんてそんなものです。

Stockholms Katthem 訪問記

昨年の秋にストックホルムに 10 日間程度滞在して、何もせずにまったりと過ごした。転職の際に前職の有給休暇が余っていたので本当によかった。正直、ほとんど徒歩・トラム圏内で過ごしていたので、これが唯一の遠出(といっても市内)だった。

Gröndal というトラムの駅の近くにあるアパートメントホテルに滞在していた。短い夏の終わり、少し肌寒くなってきた頃だった。ほとんどの日は街をぶらぶらして無為に過ごしていたが、ふと Stockholm の猫事情がどんな感じか気になりだしたので、猫シェルターに行ってみた。

ちょっと横道に逸れる。動物の権利レベルが高そうな地域に対する僕の勝手なイメージとしては、猫たちはそれぞれの家で快適に暮らしていて、その一方で街ではあまり野良猫を見かけない、というものだった。行ったことのあるところは大体そんな感じで、ストックホルムも例外ではなかった。逆にマルタ3やブルガリアのソフィアでは、街中で猫を見かけることが多かったな、と振り返っていた。

さて、NPO が運営する猫シェルター Stockholms Katthem は、市の中心部からちょっと離れたところにある。トラムの Sickla 駅からさらにバスに乗って、計一時間ぐらいかかる。ちなみに運賃はゾーン制で、SL のAccess Card 1が使えるゾーン内だった。キャッシュレス化の進み具合は国策もあってか日本の比じゃないので、このカードは到着後に作っておくか、NFC 対応デバイスのアプリを用意しておく方が便利だと思う2

みんな大好きトラムです

みんな大好きトラムです

Sickla 駅で降りて Nacka を目指す

Sickla 駅で降りて Nacka を目指す

バス停がいろいろなところに散らばっているので注意

バス停がいろいろなところに散らばっているので注意

降りる予定のバス停の1つ前で降りてしまったので、500m ぐらい余計に歩いた。人も車もほとんど通らない、海辺の山道という感じ。フリークライミングをしている人がいるくらい、自然には溢れている3。なんとなく別荘地のような雰囲気もある。この静けさは新鮮だった。

この次のバス停が正解です

この次のバス停が正解です

QoL 高そうな生活

QoL 高そうな生活

若干人の気配がしてきた

若干人の気配がしてきた

本当にあるのか、という気になってきたところで、小さな看板をみつけて、無事に入ることができた。スタッフの人に、旅行者だけど見てみたいという旨を伝えて案内してもらった。最高に親切な感じ(ここに限らずこのときの Stockholm 体験は色々と良かった)。開館日はウェブサイトに載っていて、譲渡の約束の場合は個別に開けてくれるらしい。後で見てみると、定期的にイベントもやっている様子だった。

猫用の看板を頼りに…

猫用の看板を頼りに…

湖の横で夕暮れが綺麗だった

湖の横で夕暮れが綺麗だった

ストックホルム滞在における猫一号

ストックホルム滞在における猫一号

外見からすでに分かってはいたが、結構立派な建物だった。この建物自体は 3, 4 年前にできたものだけど、シェルター自体は 30 年ぐらい活動していると説明を受けた。No kill shelter ということで、ここでは殺処分はしない。猫たちは、性格などで 3 つの建物内建物に分けられて、さらにそれぞれが個室(建物内建物内建物)で暮らしている。湖が見える眺めのいい部屋が多かった。

猫たちには個室が与えられている

猫たちには個室が与えられている

眺めのいいお部屋

眺めのいいお部屋

平日の夜だったけど、家族連れの人たちが何組か来ていた。せっかくなので、僕も猫と遊ばせてもらうことにした。譲渡成約済みの猫でなければ、スタッフにお願いすれば個室に入ることができる。この、猫のお部屋にお邪魔させてもらう感じ、猫ファースト度が高くて良い。

Charlie くんのお部屋にお邪魔した(5 匹目の Charlie だかららしい)

Charlie くんのお部屋にお邪魔した(5 匹目の Charlie だかららしい)

Hej!

Hej!

どこに行っても猫は猫だし、本当にかわいい。

遊びます

遊びます

触ります

触ります

最高です

最高です

街中の状況やこの施設をみる限り、スウェーデンは動物の権利もすでに高い状態になっているように思えたが、まだ足りないところもあるらしい。案内してくれたボランティアの人に聞くと、政府が運営するシェルターはなく、また、全国に 50 ぐらいある(といっていた)民間団体のシェルターも、足りていなかったり、ここみたいに良い環境ではないらしい。「まだまだイギリスほどではない」とか、”Shame on you, Sweden“ とまで言っていた。これは意外だった。ちょうどこの時期は国政選挙があったんだけど、それについてもなかなかこの辺の問題に触れる政党がないとも言っていた。 高福祉国家だからって動物の権利もそのまま最高レベルかといえば、そりゃ違うのかもね、という感じだった。そんな中、こうした活動をしているボランティアの方々はすごい……。

案内してくれたボランティアの女性。そういえばこのとき、ブログ記事にしますね!みたいな約束をしてしまっていたのだった。

案内してくれたボランティアの女性。そういえばこのとき、ブログ記事にしますね!みたいな約束をしてしまっていたのだった。

日本はどんな感じかと聞かれたが、知る限りでは良い環境であるとはいえなさそうだが、同じように NGO, NPO などの活動の結果最近はマシになってきている、という微妙な回答をしてしまった。どうなんですかね、実際。どの指標が猫 QoL の評価に適しているか難しいところだし。公表されている殺処分数の推移や、公的なシェルターや保護活動、無軌道な繁殖とペットショップ在庫の管理に関する規制の弱さなどは挙げられそうだが、今の状況について詳しく語れる知識はなかった。

そうやって話しているうちに閉館時間ギリギリだったので、お土産と寄付を兼ねて色々とグッズを買って帰った。

お疲れ様でした

お疲れ様でした

おわりに

いろいろな都市における猫のための活動を知りたいという気持ちは前からあったが、実際に施設にまで足を運んだのはこれが初めてだった。また次の旅にもこういうクエストを入れたいと思った。

おまけ: 猫旅の写真 Full Version!

Smugmug で適当に写真を公開しています。写真ポートフォリオ・ホスティングサイトの正解がいまだに見つからない……。

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おまけ: 最近のいなりちゃん

おかげさまで健康体を保っていますが、あいかわらずの丸みです。“Death Stranding” をプレイしていると、なぜかソファに乗ってきます。

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  1. SL: Stockholms kollektivtrafik. ストックホルムの公共交通機関の IC カード。NFC 対応デバイスであれば、物理カードではなくアプリで乗車できる。

  2. クレジットカードやデビットカードの非接触決済が使えるところが多い。また、公共の施設のトイレなど、以前まで小銭で支払っていたデポジットのようなものも、それらに置き換えられているところが多かった。旅行中、現金が必要だったのは市場でブルーベリーを買ったときぐらいだった。従来型のクレジットカードなどではない決済手段についても知りたかったし試したかったけど、あまりわからないままだったので、次回に期待。

  3. 最近マルタ島では、猫保護活動がちゃんとしてきているらしい。ある意味では観光資源ともいえる猫と古都の街並みだけど、次に行く頃にはまた変わっているのだろうか。

  4. ストックホルムは岩場を削って作られた街だというだけあってか、剥き出しの岩肌があちこちで見られる。移動経路を見るときは 3D マップで高低差を確認しないと、たまに罠にはまるので大変だった。

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